この記事はSimutrans Advent Calender 2023 12/20の記事です。
まえがき
みなさん、こんばんは。またはこんにちは。またはおはようございます!ちょーらぴっどでございます。
前回の記事はおかげさまで1200PVを数えており、基本アクセスランキングでも常にトップに位置(追い抜かれた記憶があるのは大きな中古車屋さんぐらい)している好評の記事となっております。多くのアクセスをありがとうございました。
今回の記事では、前回の記事とは違い、制約の多い単線でダイヤの組み方を解説していこうと思います(別にA列車みたく建物を壊すのに膨大な金がかかるわけじゃないので、単線じゃないと嫌だ!って場合じゃない限り正直複線でいいと思いはしますが…)。
単線におけるダイヤについての考察
単線でダイヤを組むには以下の点を考慮する必要があります。
- 線路が1本しかないため行き違いを駅または信号場で行う必要がある
- パターンダイヤでは運行間隔の半分の時間で行き違いが行われる
- ゲームシステムの都合上、棒線駅を連続させれない
- 同様の理由で、始発駅・終着駅は1線だけじゃないといけない
- 設備に限りがあり、できる限り効率よく交換を行う
シムトランスというゲームは発展を止めない限り乗客はガンガン増えてしまうので、どうしてもある程度の高頻度運転は必要になってくるという点に注意しなければいけません(発展を止めればいい、もしくは手植えで旅客度のある建物を置く数を減らせばいいという話ではありますが)。
前座といってはなんですが、単線でありながら高頻度で運行が行われている路線の日中運行のパターンダイヤを観察し、本数を増やしつつ単線でダイヤを組むためにはどのようにすればいいか、というのを考えていこうと思います。いっぱい電車走ってた方が楽しいですしね。
観察するダイヤがパターンダイヤである理由は、前回の記事でも述べました通り基本的にパターンダイヤしか組むことができないから、です。
東武越生線(15分間隔)
越生線は全ての駅で2線以上ありますが、日中ダイヤでは一本松・武州長瀬で行き違うダイヤとなっており、越生ではすぐの折り返しとなるために交互発着をしています。オーソドックスな単線かつ高頻度運転ダイヤといえるでしょう。
朝ラッシュ時は本数が増える為、日中ダイヤで交換しない駅でも交換を行います。この点はすべての駅で交換が行えるという点を生かしています。なお武州長瀬〜東毛呂は複線ですが、基本的に複線区間での行き違いは行わないらしいです。
東武野田線(アーバンパークライン) 春日部〜運河(10分間隔)
高架化が進んだりもしていますが、依然として単線のまま残っている区間で、急行もこの区間は各駅に停車します。
こちらも全ての駅に2線以上あり、そのうち南桜井、七光台、愛宕、梅郷で行き違いを行なっているのですが…違和感がありませんか?
南桜井も梅郷も単線のはずなのに駅以外のところで行き違いをしています。
実は両駅は場内を延長することにより、短い複線区間を作り上げているのです。
大抵駅間は3分前後なので、ただ単に交換駅に交換をし続けると余剰な時間が出てきてしまいます。そこで時間を無駄にせずかつ多くの列車を走らせる手段として、このような短い複線区間を作るという手段もあります。また野田線の場合は10分間隔ですし、5分ごと(=10÷2)に行き違いを行う以上このような方法を取らざるを得ない、とも言えます。
名鉄竹鼻線・羽島線(15分間隔)
名鉄竹鼻線・羽島線は西笠松、南宿、羽島市役所前で交換を行いますが、交換の行わない駅他の駅はすべて1線しかない、いわゆる「ネットダイヤ」となっています。江ノ島電鉄あたりがネットダイヤが行われている路線として有名かと思われます。設備を余すことなくしっかり使用して最大限列車を動かしている、というダイヤになっています。
ただし、逆に言えばこれ以上増発が不可能、とも言えます。
3つの路線の特徴
東武越生線、東武野田線、名鉄竹鼻線・羽島線の3つのダイヤは、それぞれのダイヤを比較すると以下のようになります
路線 | 特徴 |
東武越生線 | 各駅に交換設備があり、走らせる本数に合わせて交換駅を設定できる |
東武野田線 | 多くの本数を走らせるために一時的な複線区間を作る |
名鉄竹鼻線 ・羽島線 | ネットダイヤで限界まで設備を使うことにより、 最大限列車を走らせることができるが、逆に言えば増発が不可能 |
設備に余裕を持たせたいなら東武越生線のような、逆に最小限の設備で行きたいなら名鉄竹鼻線・羽島線のような、根本的に本数が多くとにかく単線でも列車を走らせたい場合は野田線のような感じでやっていけばいいかな、と思います。
前座が長くなってしまいましたが、ここから本題に入ります。
ダイヤを組む前にやること
基本的に前回の記事と変わらないので簡潔にいきます。
路線はこのような形とします。また、単線の場合駅の設備が重要となるため簡易的な配線図も記しております。
また例によって駅名はあくまで便宜上のものなのでご了承ください。
今回は優等列車の設定はなく、全て各駅停車で15分間隔で列車が走るダイヤを組んでいきます。すべての交換駅で交換する、高頻度なダイヤネットダイヤになりますね。
優等列車を入れたダイヤを組めないわけではないのですし、実際秩父鉄道の急行秩父路のように単線ながらにして追い抜きを行うという例もなくはないのですが、シムトランスの場合停車にかかる時間(加減速や停車時間)がかなり短いので、あまり各駅停車との差がつきにくく、行き違いなどを考えると各駅停車ベースで一部の駅を通過するという形にした方がダイヤを組む上でやりやすいので、今回は各駅停車のみでやっていこうと思います。
車両は拙作の東武8000系を使用します(60周年おめでとうございます)。
ダイヤを組んでいく
前回の記事では「何がしたいか」を基準にダイヤを組む、ということを述べましたが、単線でダイヤを組むにあたっては正直余裕がないため、やはり「効率よく交換が行えるようにダイヤを組む」のが重要だと思っています。
なので、まず下りの時刻を計測用ダイヤから本ダイヤにコピペをし、とりあえず下り列車を基準としてそこから各駅の所要時間を考慮して上り列車をどう時刻を設定すればいいかを決めて行けばいいと思います。
ということでまず下り列車の時刻を時間計測用のデータからコピーします。
列車の行き違い場所が限られている以上、上り列車の時間設定をする際に下り列車の存在が重要になるために複数貼り付けし、15分ずつ時間をずらしておきます。
続いて、列車の交換が行える栃木、太田で交換ができるように上り列車の時刻を設定します。
下り列車の太田発車が0:18、太田~伊勢崎の所要時間が4分なので、太田0:18に到着できるように伊勢崎0:14発に時刻を設定し、とりあえず様子を見ます。
入力が終わったら、ダイヤグラムを見てみましょう。
館林駅と栃木駅で交換をしなければいけないのですが、両駅の地点で線が交差していないことがわかりますね。
そこで発車時刻の調整をします。館林駅と栃木駅の停車時間を1分追加します。いわゆる「列車の交換待ちを致します」ってやつです。
発車時間の調整を行った事により、駅で交換ができるようになりました。
宇都宮到着時刻は2分ズレて0:38に到着し、0:30の15分後の列車、0:45発の列車として宇都宮を折り返していきます。これでダイヤが組めました。
ダイヤが組み終わったら、次はゲーム内での設定をしましょう。なお、ゲーム内での設定に関しては、前回の記事をご覧頂ければと思います。こちらに関しても変わるところはありません。
おわりに
今回は単線でのダイヤの組み方を解説してみました。複線でのダイヤとはまた違った楽しみ方が出来ると思います。正直単線での運行は景観プレイの域は出ませんが、ローカル線の再現などにはうってつけだと思いますので、ダイヤを組む際の参考になればと思います。
これで今回の記事を終わりにいたします。閲覧ありがとうございました!
おまけ(個人的2023年総括)
今年は多くのアドオンを作ったり、公開をしたなというのが1番の感想であるかなと思います。
仕様違いが細かいアドオンであったり、単純に数が多いアドオンも今年はやってみたりはしましたね。仕様の多さでは東急5000系、カラーバリエーションの多さでは今回の記事でも使用した東武8000系が一番だったかなと思います。色々作ったなあ。
このようなアドオンが楽にできてるのは管理人のM_Kasumiさんが作ったこれであったりこれにとてもお世話になりました。この場を借りて感謝申し上げます。
最後に私事ではありますが、コミックマーケット103にサークル「電車の巣」として参加します。前回の記事と今回の記事(これ)の2つを収録した、「OuDiaSecondを使ってダイヤを組んで楽しむSimutrans」と、「撮り鉄AIポエム集」なるクッソ変な本の2つを頒布します。12月31日(2日目)の東イ 16bでお待ちしております。詳しくは私のブログをご覧いただければと思います。
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