バスにこだわってみない?
Simutransでは意外とバスが主役になれます。OTRPを導入すれば、特に道路プレイが快適にできます。実際に近年は道路プレイに力を入れるプレイヤーが増えたような気もします。ちなみに今回はOTRPなどを使わずとも出来るのでご安心ください。
なんで八戸?
シムトラで起こりうる様々な問題の緩和策がいろいろ詰まってそうだなと思いました。また、バスが主役の交通網を実際に作る上では、鉄道ありきではなく、バスが主役の地域を参考にした方が良いのでは?とも思いました。
どうせ発展するんだから市内に鉄道路線を作った方がいいとか言わない
バスプレイは発展度高めのNSよりはソロプレイの方がやりやすいです
八戸市のバスについて
まず、街の作りとして知っておきたいところとして、八戸市の中心地は八戸駅ではなく、本八戸駅近くにある中心街ターミナルバス停(以下中心街)のあたりです。
八戸市のバス路線網は中心街から各地への放射状の路線と、旭ヶ丘や八戸駅から中心街の方に向かわないバスも比較的多くあります。中心街に行くバスは本数が多めです。詳しくはHPを見るとわかるかもしれません。(八戸中心街ターミナルガイド|八戸市公共交通ポータルサイト (city.hachinohe.aomori.jp))
運行形態の特徴としては、中心街を終点/起点にするバスが異常に少ないことが挙げられます。 路線図を見ると八戸中心街が起終点のように見えますが、実は、各地から中心街を通って各地に行く運行形態が八戸市の基本です。一見副都心・有楽町線のごとく複雑ですが、アルファベットが付いた行先番号は中心街に行けるんだなと思っておけば概ね間違いないでしょう。(もちろん乗り換えないと行けない組み合わせもありますし、方面を間違えると中心街とは逆方向になりますが)
八戸市内バスのシムトラでの活用
「都心部の道路拡張ができないぞ」「駅前~都心のバスが増えすぎて、混雑がどうにもならないぞ」こんな経験は道路プレイをしていると、多分1回はあると思います。また、もともと都心部に広大なバスターミナルを置けなさそうな地域がある場合もあります。
そんな時には、バスが各地から中心部に来て各地へ散っていく運行形態である通過型ターミナルを導入すると解決できるかもしれません。 通過型のターミナルを導入することでより強力になることはいくつかあります。
1.折り返し施設分散
八戸市は、バス折り返し施設が多いです。この画像は、八戸市のバス路線網です。
各営業所、バスセンター、ラピア、の3つが特に主要な運行上の拠点です。シムトラで言えば折り返し時間調整をしっかりと出来そうな施設です。
デッドロック防止のためにも折り返し施設は、分散させておいた方がいいです。通過型ターミナルは、その性質上市内中心部の端や都市部の終わりなどにいくつも折り返し施設を作る必要があります。(ラピア、旭ヶ丘営業所、大杉平など)
特に、旭ヶ丘営業所は、後述する実質のゾーンバス化も出来ているので、とても参考になります。
2.実質のゾーンバス化
ゾーンバスについての大まかな説明はゾーンバス – Wikipediaを参照してください。
バスを都心区間のみの路線と郊外区間のみの路線に分けるデメリットは乗り換えが増えることです。一方のメリットは、シムトラで最も計画的に行わないといけない運行系統の単純化、運行の効率化が容易になります。
例えば、八戸市の一地域に着目して、バス路線図を見てみましょう。
画像は、シムトラのルートコストの概念によって八戸市の路線について説明したものです。ちなみにルートコストの概念とは、簡単に説明すると、ある場所から目的地に向かう際に1停留所止まるごとに1増え、1回乗り換えるごとに7増えていき、様々なルートで目的地まで計算していって最終的に一番コストが低いルートを使って移動していくというものです。旅客だけでなく、何故か貨物にも当てはまります。
線が同じ色の区間は、乗り換えなしで行けます。例えば、桜ヶ丘から中心街へは、桜ヶ丘~旭ヶ丘のコスト6+旭ヶ丘~中心街のコスト14の計20コストが最短ルートとなります。もし旭ヶ丘営業所からコストの少ない赤線に乗り換えた場合、桜ヶ丘~旭ヶ丘営業所のコスト7+乗換コスト7+旭ヶ丘営業所~中心街のコスト8の計22コストになるので、最短にはなりません。
一方、八戸駅に行く場合は、話が少し変わります。中心街までの最短コストの経路で行く場合、桜ヶ丘~旭ヶ丘営業所のコスト6+旭ヶ丘営業所~中心街のコスト14+乗換コスト7+中心街~八戸駅のコスト14で計41コストになります。しかしながら、旭ヶ丘営で赤線に乗り換えた場合、桜ヶ丘~旭ヶ丘営業所のコスト6+乗換コスト7+旭ヶ丘営業所~中心街のコスト8+中心街~八戸駅のコスト14で、計36コストと逆転します。
つまり、同じ中心街を通るにもかかわらず、同じ場所で乗り換える必要がないのです。これは意外と便利です。
バスの車内は基本的に中心部に近づく程乗る人が増えます。そのため、例えば起点から既に満員の場合は途中で人を降ろさない限り、人を追加で乗せられません。なので、なるべく起点に近いところから増便しないといけなくなります。しかし、画像で説明するなら、もし第二桜が丘の時点で待機が150人くらい居て、待機人数だけ見ると1台で運べないとしても、旭ヶ丘営業所で乗り換えてくれる人が居ます。そのため、中心街まで直通のバスに乗る人が50人くらいで済んでしまえば、増発が必要な区間は乗客100人程が経由する旭ヶ丘営業所~第二桜が丘間だけで良くなるかもしれません。また、途中の区間で様々な系統が合流するので、旭ヶ丘営業所や旭ヶ丘から中心街方面への増発はいらないかもしれません。
(なお、実際の八戸市は、1乗車最大320円の上限運賃制と乗り換え地点による運賃の差額によってこのようなルート選択が行えるようになっています。)
おわりに
いかがでしたか?今回はもしかしたらシムトラに活かせるかもしれない技術を、八戸市内のバスの運行形態から説明しました。シムトラの輸送力向上は複々線化よりも複雑怪奇な路線網の充実にあることも、もしかしたらここから応用できるかもしれません。
人員が鉄道以上にたくさん必要なバスは、意外と効率的な運行形態になっている場合もあります。なので、もしかしたら他のバスの運行形態が、後にシムトラで理論化されて、鉄道への応用によって、一般的な技術になるかもしれません。
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